関西では最大級の高さを誇る50tもの鉄の巨大モニュメントが、駅前ロータリーにそびえ立っています。
にもかかわらず、明るい赤一色の均一なカラーリングは、重々しさを感じさせることなく周囲とのコントラストによって際立つ存在となっています。
作品データ Data
作品名 Title | フェニックス・アーチ Phoenix Arch |
作家名 Artist | セバスチャン Sebastian |
制作年 | 1994年 |
寸法(H×W×D;cm) | 1,800 × 750 × 750 |
備考 | 堺・アートクルーズ |
作品について About
高さ65mで世界最大のパブリックアートを含め、国内外に記念碑的作品を200点以上設置している、メキシコを代表する抽象彫刻家セバスチャンの作品です。
歴史と伝統に育まれた町<堺-フェニックス・シティ>、 自らの灰塵の中から幾度も蘇り、 その度にさらに力強くはばたく不死鳥をシンボルとした街に、私の作品が設置されたことを光栄に思います。
古代の人々の営みをほうふつさせる銅鐸の形を象徴的にとり入れた、大空に舞う二重のアーチが、21世紀へ向けての新たな活力を生み、さらなる発展へといざない、かつ、堺と他のすべての人々との友好のシンボルとなれば、この上ない喜びです。ー堺・アートクルーズ 作家の言葉 より
世界遺産の古墳群を擁する堺市には、堺大空襲からの復興の象徴としてフェニックス(ヤシの木の一種)が植えられた「フェニックス通り」があり、堺市のシンボルにもなっています。それにちなんで「不死鳥」の意味も込められています。
上部は見る方向によって表情が変わり、作品を見上げた時に不思議な感覚にとらわれますが、動的な作風が幾何学的魅力を放ちながら周辺環境に溶け込む空間造形は、海外で巨大モニュメントの制作経験が豊富なセバスチャンならではといえます。
メキシコの大学で建築を学び教授として教鞭を取りながら、衣装やジュエリーデザインなど、多岐にわたりその才能を発揮したセバスチャンですが、造形美だけではなく「理念の発信」を目的としていることから、作家の想いが込められた制作意図を抽象的デザインから読み解く楽しさも提供してくれます。
セバスチャンのパブリックアートは、関西では万博記念公園内の現代美術の森に「ケツァルコアトル」、「悲嘆する花」の2点のほか、国内では名古屋や長野、東京に設置されており、千鳥ヶ淵公園に「対墨日本人移住百周年記念モニュメント」、墨田区に「VILLA HUMADA」
堺市では、街中にパブリックアートを設置する堺・アートクルーズという事業を推進しており、セバスチャン作品のほかにも、市内に36点の国内外パブリックアートが点在していますので、名作を感じる機会をぜひ堪能してください。
設置場所 Location
大阪府堺市堺区戎島町 堺駅東口 ロータリー