作品の特徴 Feature
国内に数多くパブリックアートの設置事例のある抽象彫刻家。
掛井 五郎先生は兄の影響を受けてクリスチャンとなりましたが、作品への興味、制作対象は人間であり続けました。 しかしそれを具体的に忠実に制作するのではなく、自身のフィルターを通した表現へと昇華し、どこかユーモラスで装飾的な意匠は制作意図の底流をなすものといえるでしょう。 |
ポートレート |
1976年に制作し中原悌二郎賞 最優秀賞を受賞した「バンザイ・ヒル」は、第二次世界大戦時アメリカ軍に追い詰められた女性や子供が、サイパンの岬から身を投げる様を表現した作品です。
掛井 五郎先生の人間性や意志の強さ、実直さは海外での幅広い活動を通して、醸成されたのかもしれません。
略歴 Biography
年 | 内容 |
1930 | (6月5日)静岡市音羽町に生まれる |
1948 | 日本基督教団静岡教会にて受洗 |
1949 | 東京藝術大学 彫刻科入学、木内 克に師事 |
1955 | 東京藝術大学 彫刻専攻科修了、副助手に就任 |
1957 |
第21回新制作協会展に「受胎告知」を初出品、新作家賞 受賞
|
1961 | 新制作協会 彫刻部会員 |
1962 | 青山学院女子短期大学 勤務 |
1965 | 第7回サンパウロ・ビエンナーレ出展 |
1968 | ベラクルス大学(メキシコ) 客員教授に就任 |
1976 |
「バンザイ・ヒル」で第7回中原悌二郎賞 最優秀賞 受賞
|
1977 |
第7回現代日本彫刻展 神戸市須磨離宮公園賞 受賞
|
1981 | 「蝶」で第2回高村光太郎賞 優秀賞 受賞、第9回現代日本彫刻展 東京国立近代美術館賞、神奈川県立近代美術館賞 受賞 |
1984 | 第13回長野市野外彫刻賞 |
1992 | 「立つ」で第23回中原悌二郎賞 受賞 |
1993 |
『掛井五郎版画作品集』(グリーン・グラフィックス)刊行
|
1997 |
『火の果て』(麻布霞町画廊)刊行
|
2001 | 新制作協会 退会 |
2007 | 銅版画文集『夜の絵』(白井版画工房)刊行 |
2009 |
『AT WORK KAKEI 掛井五郎作品集』(用美社)刊行
|
2013 |
「人間の問題 研究Ⅲ」(群馬県立館林美術館)設置
|
2017 | 一般財団法人掛井五郎財団 設立 |
2021 | 「ストーリーズ展」(静岡県立美術館)に出品、(11月22日)死去 |
鑑賞できるパブリックアート Other Works
公式サイト
掛井五郎財団 WEBサイト
一般財団法人掛井五郎財団は、掛井五郎が制作した美術品を保管・収集し、適正な管理保護を行うとともに、調査研究、展覧会等への出品または貸与等を行い、掛井五郎作品とその思想の普及並びに、次世代への円滑な事業継承することを目的としています。