「高貴な重荷」まだ地位を確立していないであろう時代にありながら、たくましく尊厳に満ちた女性を描いた作品

幼い赤ちゃんを右手に抱えながら、たくさんの果物を乗せたかごを頭にのせ歩みを進める女性像は、近代彫刻の巨匠アントワーヌ・ブールデルの作品です。

作品データ Data

作品について About

ブールデルはある日ふと、頭に荷物を乗せ右手に赤ちゃんを抱えた、ひとりの身重の女性を見かけ、彼女の気高さに胸を打たれてこの作品の制作にとりかかりました。

女性が子育てをしながらも労働に参加していた時代を刻んだこの作品を通して、ブールデルは厳しい環境の中でも前を見すえ、生きぬく女性のたくましさを表現しました。

険しい表情とたくましい腕はあえて細部を作りこまず、リアルな描写をそぎ落とすことで、見る者を圧倒する迫力を表現しています。

対照的に「重荷」と題されたあどけない表情の赤ちゃんは、母親のたくましい腕に守られた安心感のなか、象徴としての貴さを訴えかけてきます。

ブールデルのパブリックアートは神戸や西宮に多く設置されていますので、近代彫刻の名作に出会う機会をぜひお楽しみください。

同じ作品が国内では、愛媛県美術館と東京都港区議会議会棟に設置されています。

設置場所 Location

神戸市東灘区向洋町中　六甲アイランド リバーモール

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作家について Artist

Antoine Bourdelle（アントワーヌ・ブールデル）

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