滋賀県立美術館や滋賀県立図書館、日本庭園などが点在する広さ43.2haの文化ゾーン内にあり、敷地内の日本庭園を手掛けた作庭家伊藤 邦衛氏によりデザインされた彫刻の路に設置されたパブリックアートです。
作品データ Data
作品名 Title | 置・傾 / トライアングル- |
作家名 Artist | 植松 奎二 Keiji Uematsu |
制作年 | 1987年 |
材質 | 花崗岩、コーテン鋼 |
寸法(H×W×D;cm) | 350 × 900 × 600 |
備考 | 置・傾/トライアングル |
作品について About
4つの切り出したままの花崗岩を3本のコールテン鋼でつなげて、結界のような空間を構成した、植松 奎二先生の作品です。
極力手を加えられていない苔むした岩とつながれた錆びたコールテン鋼が醸しだす空間は、重厚ですがどこか侘しさを感じさせます。
植松 奎二は兵庫県生まれ。様々な素材を組み合わせて、重力などの目に見えない力を感じさせる作品を作っています。
4つの巨大な岩を、3本の鉄の棒でつないだ作品です。鉄の棒が傾いてねじれた三角形(トライアングル)を作っているのがタイトルの由来です。岩の表面が苔むして、周囲の自然に溶け込んでいるので、どこか時を経た風格を漂わせています。
4つの岩は棒でつながっており、何かの関係を持っているように見えます。手をつないだ4人家族のように見えるという人もいれば、イギリスのストーンヘンジのような古代の不思議な遺跡に見えるという人もいます。
あなたはこの作品から、どんな印象を受けますか? ー作品ガイド より
作品名の「置・ / トライアングル」にあるように、コールテン鋼の直線で一見三角形が形成されているようですが、一角は頂点でつながっておらず、平面としてもゆがんでいる既成概念を覆す作品となっています。
この作品が設置されてから、植松 奎二先生は1990年の第12回神戸須磨離宮公園現代彫刻展で大賞を受賞して以降、国内各地で瞬く間にパブリックアートの設置がすすみ、2013年には日本彫刻の最高峰といわれる第38回中原悌二郎賞を受賞しました。
滋賀県立美術館への動線になる彫刻の路には他に、村岡 三郎先生の「Oxygen Shiga」、山口 牧生先生の「夏至の日のランドマーク」が設置されていて、美術館へ向かう途中の期待を高めてくれる存在となっています。
設置場所 Location
滋賀県大津市瀬田南大萱町 文化ゾーン 彫刻の路