作品の特徴 Feature
主に石彫作品を制作した抽象彫刻家。
京都大学を卒業後、定時制高校の国語教諭を務めながら大阪市立美術研究所で彫刻を学びました。 御影石に切れ込みを入れたところをノミではつり、酸化鉄のベンガラという赤色の顔料を塗りこんで表面を磨くことで、たどり着いた独自の制作技法によって、自然石に生命力を宿しました。 山口 牧生先生は美術団体などに所属することはなく、小林 陸一郎先生、増田 正和先生とともに環境造形Qを結成し、共同制作した多くのパブリックアートを国内に設置、本郷新賞など数々の賞を受賞しましたが、山口 牧生先生自身も中原悌二郎賞を受賞しました。 |
多くの作品に用いた能勢黒と呼ばれる良質な御影石に魅せられ、採石場の中にアトリエを構えるなどしましたが、晩年は能勢黒産地近くの京都府亀岡市にアトリエを構えました。
現在はミチ・ガーデンという個人美術館として開放されており、山口 牧生先生が遺した作品を中庭で鑑賞することができます。
MICHI GARDEN 公式サイト
Michi-garden
略歴
年 | 内容 |
1927 | (6月20日)福岡県戸畑市に生まれる |
1950 | 京都大学 文学部 哲学科 美学美術史専攻 卒業 |
1960 | 福岡 道雄先生、増田 正和先生らと彫刻家集団 場を結成 |
1968 | 小林 陸一郎先生、増田 正和先生と環境造形Qを結成 |
1970 |
ザンクト・マルガレーテン彫刻シンポジウム(オーストリア)に出品
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1972 |
第1回ブルーメール賞 受賞、現代美術の鳥瞰(京都国立近代美術館) に出品
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1973 | 第1回彫刻の森美術館大賞展に出品 |
1974 |
第4回神戸須磨離宮公園現代彫刻展に「股間の鳥―サドル」出品、京都国立近代美術館賞 受賞
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1975 |
第6回現代日本彫刻展に「日の鞍」出品、兵庫県立近代美術館賞 受賞
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1976 |
第5回神戸須磨離宮公園現代彫刻展に「棒状の石あるいはCosmic Nucleus」出品、神奈川県立近代美術館賞 受賞
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1977 | |
1978 |
第6回神戸須磨離宮公園現代彫刻展に「落日のためのスケール」出品、大賞 受賞
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1979 |
第8回現代日本彫刻展に「四角い石」出品、北九州市立美術館賞 受賞
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1980 |
第7回神戸須磨離宮公園現代彫刻展に「傾くかたち(55.5度)」出品、神戸市教育委員会賞 受賞
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1981 |
日本現代彫刻の展開(神奈川県立近代美術館)、日本現代美術展(韓国文化芸術振興院)に出品
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1982 |
第8回神戸須磨離宮公園現代彫刻展に「15°」出品、国立国際美術館賞 受賞
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1983 |
「15°」で第14回中原悌二郎賞 受賞、現代日本美術の展望(富山県立近代美術館)に出品
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1984 |
環境造形Qとして「水の広場」(名古屋市名城公園)で名古屋市都市景観大賞、神戸市文化賞 受賞、西宮市民文化賞 受賞
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1985 | |
1987 |
第7回現代日本彫刻展に「サン・サドル‘87」出品、大賞 受賞
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1991 |
7人の美術家たち-今日の日本美術展(サンタモニカ美術館他)、美術の中のかたち(兵庫県立近代美術館)に出品
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2001 | (12月16日)肝不全のため京都府亀岡市の自宅で死去 |
鑑賞できるパブリックアート
リンク
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備考