作品の特徴 Feature
「ナナ」に代表される自由奔放で色鮮やかな造形で、世界的に知られた現代美術家。
その作品には、痛みや苦しみを乗り越えて生きる喜びを伝えたいという、女性のおおらかな生命力が溢れています。 フランス人の父とアメリカ人の母の間にパリで生まれ、ニューヨークで育ちますが、その人生は波乱に満ちていました。 10代の頃はモデルとしてファッション誌の表紙を飾るなどしましたが、実の父親から性的虐待を受けるといった体験や、5人兄弟妹のうち2人が自ら命を絶ってしまうなど、ついには23歳のときに神経衰弱を患ってしまいます。 |
その療養のために絵を描き始め、それが芸術家ニキの誕生のきっかけとなりました。
のちに生涯のパートナーとなるスイス人アーティスト、ジャン・ティンゲリーと出会うことで制作の領域を大幅に広げ、その名を世界へとどろかせて、2000年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しました。
略歴
年 | 内容 |
1930 | (10月29日)パリ郊外にて生まれる |
1948 | モデルとして働き『ヴォーグ』『ライフ』の表紙を飾る |
1953 | 神経症を患いニースで療養、絵を描くことで回復 |
1956 | 初個展(スイス) |
1960 | 射撃絵画をはじめる |
1962 | 個展(ニューヨーク) |
1963 | ジャン・ティンゲリーとパリ郊外へ移る |
1965 | 「ナナ」シリーズの制作をはじめる |
1966 |
ナナ像「ホーン」(ストックホルム近代美術館)をジャン・ティンゲリー、パー・オロフ・ウルトヴェットと共同制作
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1967 |
初の回顧展(アムステルダム ステデリク美術館)、「パラディ・ファンタスティック(幻想的な楽園)」(モントリオール万博 フランスパビリオン)をジャン・ティンゲリーと共同制作、「ナナ・ハウス」(南仏 マーグ財団)を設置
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1968 |
「ミス・ブラック・パワー」 (箱根 彫刻の森美術館)を設置
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1971 | ジャン・ティンゲリーと結婚 |
1979 | 個展(東京) |
1980 | 大回顧展(パリ ポンピドー・センター) |
1983 |
「ストラヴィンスキーの噴水」(ポンピドー・センター 前広場 ) をジャン・ティンゲリーと共同制作
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1987 | 大回顧展(アメリカ ナッソー美術館) |
1994 | 「LA GRANDE TEMPERANCE(中庸)」(三重県総合文化センター)設置 |
1995 | 映画 『ニキ―美しいひと獣―』が国際映画祭で上映 |
1998 |
自費による彫刻庭園「タロット・ガーデン」(イタリア トスカーナ)完成
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2000 | 高松宮殿下記念世界文化賞 彫刻部門 受賞 |
2002 | (5月21日)アメリカ サンディエゴにて逝去 |
2003 | 「グロット(洞窟)」(ハノーバー ヘレンハウゼン王宮庭園)設置 |
鑑賞できるパブリックアート
リンク
個人美術館
栃木県那須町にありましたニキ美術館は、惜しまれつつ2012年に閉館しました。
Niki Museum Gallery
備考