大阪万博記念公園内にある国立民族学博物館前に、イギリスを代表する抽象彫刻家フィリップ・キングのパブリックアートが設置されています。
作品データ Data
作品名 Title | 空 |
作家名 Artist | フィリップ・キング Phillip King |
制作年 | 1970年 |
寸法(H×W×D;cm) | 400 × 1,200 × 1,200 |
備考 | (入場料が必要です) 万博遺産 |
作品について About
タイトル通り空を想起させるスカイブルーで彩色された三角形の鉄板は、ゆるやかなカーブを描き、鑑賞する場所によって、まったく異なる表情を見せます。
この巨大な彫刻は、1969年日本鉄鋼連盟、毎日新聞社の主催による「国際鉄鋼彫刻シンポジウム」の展示作品のひとつで、翌年の日本万国博覧会開催当時、会場の池周辺(現在のせせらぎ広場周辺)に設置されていたものです。
この作品は、固定した位置に静止して眺めるべきものではなく、弾力のあるいくつかのカーブを通して空をみることにより、空のなかに溶けこむような空間が楽しめます。
博覧会終了後、吹田市千里丘の毎日放送に引き取られましたが、その後、同社の協力を得て、38年ぶりに万博記念公園に里帰りしました。 ー 作品銘板 より
フィリップ・キングは鑑賞者が作品の隙間から空を見上げ、空に溶け込む体験を意図していましたが、残念ながら今は作品に足を踏み入れることはできません。
しかしながら、複雑な組み合わせながら軽やかな曲面と色彩により、重さを感じることなく空をイメージすることができます。
フィリップ・キングの初期の作品は重いイメージで、1960年代後半からは開放感にあふれた作品へと変化を遂げました。
変化のきっかけはアトリエを都会から田舎へ移したことにより、「ビルの谷間で見えなかった空の美しさに気付いた」ことで、ちょうどそのころ来日したフィリップ・キングは、「上」という方向性を表現した代表作となる本作を制作しました。
フィリップ・キングのパブリックアートは、大阪の御堂筋 彫刻ストリートに「火の玉No.1」があるほか、北海道や広島、福岡など国内に多くの作品が設置されています。

設置場所 Location
大阪府吹田市千里万博公園 万博記念公園 国立民族学博物館 前
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フィリップ・キングの他作品 Other Works
作家について Artist
