神戸の中心地から少し離れた、湊川神社やハーバーランドの玄関口となるJRの駅前広場で、兵庫県三田市を制作拠点とする世界的彫刻家の新宮 晋先生の大規模作品が、約50年もの間、いまもゆったりと動き続けています。
作品データ Data
作品名 Title | 海からの便り |
作家名 Artist | 新宮 晋 Susumu Shingu |
制作年 | 1975年 |
寸法(H×W×D;cm) | 1,740 × 290 × 255 |
備考 | 2024年2月に解体。撤去されました |
作品について About
最大高さ20mはあろう巨大パブリックアートが約50年前に設置されました。
3か所の駆動部部分で構成されたシンプルな構造ではあるものの、海風を受けてゆったりと動くさまは豊かな表情を見せてくれ、遠くから眺めたりすぐ近くから見上げたりと、長い時間鑑賞しても見飽きることはありません。
1970年の大阪万国博覧会の出品作家に選出され名声を得た新宮 晋先生が、当時はまだ珍しかったであろう、この場所にふさわしい規模のパブリックアートを制作して、1979年に第4回の吉田五十八賞を受賞しました。
ちなみにこの作品が設置されているJR神戸駅は、東京駅から続く東海道線の終点、門司駅へと続く山陽本線の起点として東西をつなぐ重要な鉄道拠点ですが、駅前は2030年をめどに、神戸市による再開発計画が進められていて、こういった大きい作品は、老朽化などによる安全性確保のため撤去されるケースが少なくありません。
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この作品が制作されてから50年を隔てて、周辺に文化と自然を吹き込んだ意義はある意味全うしたのかもしれませんが、基本的にアートは永続的であるべきと考えます。
できることなら補修などにより、この優れたアートを存続させていただきたいと思いますが、間もなく見られなくなるかもしれないパブリックアートを、今のうちにぜひ鑑賞しておいてください。(※この作品は老朽化のため、作家の了承を得たうえで解体、撤去されました。)
海からの便りの解体について
リンク
設置場所 Location
神戸市中央区相生町 JR神戸駅 北口広場
周辺のパブリックアート
新宮 晋の他作品 Other Works
作家について Artist
新宮 晋(しんぐう すすむ) Susumu Shingu
風の彫刻家といわれ、世界的キネティックアートの第一人者、新宮晋の紹介ページです。
略歴のほか、作品の特徴、パブリックアート一覧など、アーティストを深く知るために参考にしていただけます。