「風の万華鏡」企業の本社ビルと一体化した、建物そのものが作品という国内では数少ないケースのパブリックアート

アーティスト

世界的彫刻家の新宮 晋先生が唯一、建物の総合設計を手掛けた作品が大阪にあります。
元々の依頼はモニュメント制作のみだったところ、施主の企業社長と話し込むうちに本社ビルの設計までをも依頼されることとなりました。

作品データ Data

作品名 Title 風の万華鏡
作家名 Artist 新宮 晋 Susumu Shingu
制作年 1992年
寸法(H×W×D;cm) 3,750×700×2,500
備考 株式会社ブレーンセンター「風の万華鏡」WEBサイト

作品について About

最上部のオブジェを「ド」として、「レ」、「ミ」…と音階をあらわす合計8つのオブジェが徐々に小さくなり、建物の階段吹き抜け部を垂直に貫いています。

新宮 晋先生作品ドローイング『ぼくの頭の中』より

1階エントランスに置かれた凹面鏡に、すべてのオブジェが映り込むよう造形されており、新宮 晋先生作品の特徴である、風で揺れるオブジェが万華鏡に映える様子を見ることができます。

人が働く場所としての機能をもつ建物そのものを彫刻として完成したこの作品は、造形もさることながら、建物としての周辺の景観との対比も一見に値する希少なパブリックアートといえます。

作品の紹介動画

都会のスカイラインを柔らかくすることが高く評価されて、この建物は、1994年大阪市都市環境アメニティ表彰を受賞した。ー『ぼくの頭の中』より

この作品が設置された場所は緑地が整備された川にほど近くにあり、近隣住民が集まる公園や住居、中規模オフィスビルが混在するなか、周囲の景観から異彩を放つでもなく、近代的な軽快さはひときわ目を引く様相を呈しています。

新宮 晋先生の有名な作品は他にも、大阪には関西国際空港旅客ターミナルに「はてしない空」がありますが、設置された場所により、全く違う表情を見せる作風を見比べてみるものもパブリックアート鑑賞の醍醐味と言えます。

設置場所 Location

大阪市北区天満 ブレーンセンター本社ビル

周辺のパブリックアート

新宮 晋の他作品 Other Works

作家について Artist

新宮 晋(しんぐう すすむ) Susumu Shingu
風の彫刻家といわれ、世界的キネティックアートの第一人者、新宮晋の紹介ページです。 略歴のほか、作品の特徴、パブリックアート一覧など、アーティストを深く知るために参考にしていただけます。
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