「神戸海援隊」幕末に吹いたみなと神戸の風は日本の若者を立ち上がらせ近代日本の礎を築いた

アーティスト

神戸で創立した大手ゼネコンの竹中工務店の90周年を記念して、幕末に勝海舟や坂本龍馬らがかかわった「海軍操練所」で学んだ若者をイメージして制作されました。

船が行き交う波止場のメリケンパークに設置されたパブリックアートは、自然に人々が集い海風を感じながら、ひと息つく人気スポットとなっています。

作品データ Data

作品名 Title 神戸海援隊
作家名 Artist 流 政之 Masayuki Nagare
制作年 1991年
寸法(H×W×D;cm)
備考

作品について About

かねてより世界との貿易窓口となる港に面するメリケンパークで、どこかモアイ像のようで少しずつディテールが異なる石像が、海を背にして5体並んでいます。

世界的な抽象彫刻家の流 政之先生が、国内外に数多く残したパブリックアートのうちの1つです。

1863年から65年にかけ 神戸小野浜に勝海舟・坂本龍馬らによってつくられた海軍操練所が存在した

武士・町人・農民を問わず若者たちが大洋に夢をはせ 経済・科学など多くのことを学んだ

夢を果たせず志なかばに倒れていった若者たちを「神戸海援隊」と名づけ その短い青春の夢をここに刻む ー 作品銘板より

1862年勝海舟を暗殺しようとしていた坂本龍馬は、海外事情を説かれ逆に感服して弟子になったと言われ、勝海舟が進めていた1864年の神戸海軍操練所の設立のため奔走しました。

この海軍操練所は残念ながらわずか1年後に閉鎖しましたが、坂本龍馬のほか陸奥宗光、近藤長次郎など、のちの日本に大きな変革をもたらす若者を多く輩出しました。

かつてパイロットとして従軍しながら失意のなか敗戦を迎えた経験のある流 政之先生が、開国の重要性を学び世界へ目を向けた若者を称えた作品を、世界との取引の象徴となる神戸みなと街に制作したことは、作品に込められた次世代へのメッセージを読み解く機会になるかもしれません。

設置場所 Location

神戸市中央区波止場町 メリケンパーク

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流 政之の他作品 Other Works

作家について Artist

流 政之(ながれ まさゆき) Masayuki Nagare
戦後日本を代表する抽象彫刻家、流政之の紹介ページです。 略歴のほか、作品の特徴、パブリックアート一覧など、アーティストを深く知るために参考にしていただけます。
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