「HOMMA DEKKA」ユーモラスな作品名に隠された真の意味とは

アーティスト

大砲のようなダイナミックなフォルムでありながら、軽妙な作品名(「ほんまでっか」は「本当に?」の大阪弁)は、鑑賞する人の想像力を掻き立てられます。

作品データ Data

作品名 Title HOMMA DEKKA
作家名 Artist 流 政之 Nagare Masayuki
制作年 1990年
寸法(H×W×D;cm)
備考

作品について About

「これはちくわか、大砲か…」

上下に長くデフォルメされたこの作品は、遠くからでも認識できるアイキャッチな作品ですが、近代的な高層ビルと対照的に、くすんだ赤茶色とざらついた質感はどこか退廃的なイメージを思い起こさせます。

この作品が設置されている大阪ビジネスパークは、実はかつて兵器工場があった場所でした。
そして若い頃に海軍飛行科予備学生パイロットとして、零戦に搭乗していた流 政之先生の制作意図が垣間見えます。

他にも設置場所にちなんだ作品を制作していた流 政之先生ですが、零戦に搭乗していたにもかかわらず強い反戦意識を持っており、30年前の設置時にはなかった今の質感を予見しながら「この時代に兵器の役目は終わった」というメッセージを込めていたのかもしれません。

Port Authority of NY and NJ – https://www.ifar.org/nineeleven/Wenegrat%20fig2.htm

9.11同時多発テロの被害に遭った、ニューヨークのワールドトレードセンタービルに設置されていた流 政之先生の作品「雲の砦」は、テロの際は奇跡的に無事だったのですが救助のため、残念ながら撤去されました。

今、この作品は高層ビル前に設置されている限られた作品のうちのひとつとなります。

写真では感じることのできないこの作品の発信するメッセージと迫力を、ぜひ一度感じてみてください。

設置場所 Location

大阪市中央区城見 クリスタルタワー 前庭

周辺のパブリックアート





流 政之の他作品 Other Works

作家について Artist

流 政之(ながれ まさゆき) Masayuki Nagare
戦後日本を代表する抽象彫刻家、流政之の紹介ページです。 略歴のほか、作品の特徴、パブリックアート一覧など、アーティストを深く知るために参考にしていただけます。
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