「犬の詩」神戸の人工島にあるイベントホール前にそびえ立つモニュメンタルな柳原義達作品

アーティスト

神戸市出身である柳原 義達先生の代表作のひとつで、全国各地に設置されているパブリックアートを、神戸ポートアイランドのワールド記念ホール前で鑑賞することができます。

作品データ Data

作品名 Title 犬の詩
作家名 Artist 柳原 義達 Yoshitatsu Yanaguihara
制作年 1976年(1985年設置)
寸法(H×W×D;cm)
備考

作品について About

柳原 義達先生の女性像「犬の唄」シリーズの代表作で、思いきったデフォルメと荒々しい肉づけにより自然や生命の本質に迫り、緊張感と重厚な量塊感が表現されています。

フランス留学中にエドガー・ドガの絵画『カフェ・コンセールにて(犬の歌)』の由来を知った柳原 義達先生は、自分の精神性と共通点を見出し「犬の唄」シリーズの制作に取り組みました。

エドガー・ドガ『カフェ・コンセールにて(犬の歌)』

「犬の歌」は普仏戦争に敗れたフランス人の反省と抵抗精神を表したシャンソンで、それをうたう女性歌手が肘を折って両手を前にだらんと下げるこのポーズが、犬が飼い主に媚びるポーズを模したもので、おもねる素振りをしつつも抵抗精神を心に秘めた状態を、エドガー・ドガは『カフェ・コンセールにて(犬の歌)』に描きました。

1950年から取り組んでいるこの主題は、柳原 義達先生が彫刻家として孤独な創造の道を進み、弟の戦死、戦後の火災による作品の焼失などを経験、敗戦後のやり場のない屈辱、不満、自嘲、虚しさを作品へ投影されたものです。

今日の仕事をするために
昨日を反省し
明日の可能性を生きる ー作品銘板より

作品名は違いますが、北海道釧路の幣舞橋に設置されている「道東の四季・秋」は同じ作品で、他にも箱根彫刻の森美術館や千葉市青葉の森公園にも設置されており、三重県立美術館内の柳原義達記念館にも収蔵されていて、全国で鑑賞することができます。

設置場所 Location

神戸市中央区港島中町 ポートアイランド ワールド記念ホール 前広場

周辺のパブリックアート

柳原 義達の他作品 Other Works

作家について Artist

柳原 義達(やなぎはら よしたつ) Yoshitatsu Yanaguihara
戦後日本を代表する具象彫刻家、柳原義達の紹介ページです。 略歴のほか、作品の特徴、パブリックアート一覧など、アーティストを深く知るために参考にしていただけます。

 

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