神戸のなぎさ公園に設置された名和 晃平先生のパブリックアートです。
作品データ Data
作品名 Title | Ether (family) |
作家名 Artist | 名和 晃平 Kohei Nawa |
制作年 | 2021年 |
材質 | FRP、塗装 |
備考 | ー |
作品について About
Ether(family)は、滴(しずく)が地面に落ちて広がる様子を段階的に3Dモデル化し、上下反転させて積み重ねた彫刻作品です。
水やエネルギーの循環と生命の永続性を象徴しています。
重力に抗い空に伸びる4つの彫刻は、復興した街を見守る家族のように、互いに寄り添って立っています。 ー作品銘板より
作品タイトルの「Ether」(エーテル)は、哲学者アリストテレスが四元素説を拡張して提唱した、天体を構成する「第五元素」で宇宙に充満している媒体と考えられた近代物理学の用語でした。
後にある有機化合物質が発見された際、その物質の高い揮発性のために「地上にあるべきではない物質が天に帰ろうとしている」と解釈され、エーテルと名づけられました。
Ether
《Ether》は、粘度の高い液体が床に落ちるさまざまな段階の形状を3Dモデル化した彫刻作品。
雫の写真や、粘度の高い液体を流して観察し、液体の表面張力における弾性を描きながら、その形状をトレース。
得られたシルエットを3D上で回転させ、上下反転させたものを合わせ、その形状をランダムに積み重ねる。「無限柱」のように屹立するこの彫刻は、重力と無重力の反作用の関係性によって、無重力の仮想状態を作り出すよう設計されている。 ー公式サイト より
名和 晃平先生自身は、画素のPixelと細胞のCellを組み合わせた独自の「PixCell」という概念のもと、ビーズ、プリズム、発泡ポリウレタン、シリコーンオイルなど様々な素材とテクノロジーを駆使し、彫刻の新たな可能性を広げる数々の作品シリーズを発表しています。
名和 晃平先生は近年、海外でも高評価を受け韓国や、パリのセーヌ川に「Ether(Equality)」といった大型のパブリックアートを設置していますが、関西では他にも、コンラッドホテル大阪のロビーに見ごたえのある高さ5mの「Fu / Rai」があるほか、京都のショッピングモール新風館に「Ether (Octagon)」があり、茨木市の遊歩道にさりげなく設置されている「Trans-Ren (Bump, White)」も鑑賞できますので、足を運んでみてください。
この作品が設置されているなぎさ公園には、ほかに「Animal 2021-01-B (KOBE Bear)」や「犬モ歩ケバ」があり、近くの兵庫県立美術館から北へ延びる1.2kmの動線、ミュージアムロードでも、国内外作家の多彩なパブリックアートを楽しむことができます。
設置場所 Location
兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通 なぎさ公園