国内外に多くの作品が設置されている井上 武吉先生の生まれ故郷である、奈良県室生ほど近くの道の駅に、遺作となったパブリックアートがあります。
作品データ Data
作品名 Title | my sky hole 地上への瞑想、室生 |
作家名 Artist | 井上 武吉 Bukichi Inoue |
制作年 | 1997年 |
寸法(H×W×D;cm) | ー |
備考 | むろうアートアルカディア計画 |
ふるさとの風景を映し出す「道の駅 宇陀路室生」
道の駅「宇陀路室生」は「木もれ陽の森」の愛称で親しまれ室生の森や室生寺の回廊を表現しています。
「森の回廊館」と道の駅のモニュメントは、列柱で結ばれ、そこに一体的な空間で造形されることによって、環境と現代アートがうまく融合した美しさを象徴しています。
室生地域は、いま、芸術文化と自然が調和し、自然と人間が共生する現在の理想郷(アルカディア)を実現し、未来への文化遺産としていく『むろうアートアルカディア計画』を進めています。
道の駅「宇陀路室生」は、その出発点で、『むろうアートアルカディア計画』のシンボルです。室生地域出身で、世界的に活躍された彫刻家 故 井上武吉氏は、こよなく愛し続けたふるさとの風景を映し出す装置として、道の駅のためのモニュメントを制作されました。 ー作品銘板より
作品について About
井上 武吉先生の代表的作品である球体彫刻を前面に、後背には瞑想空間を地下にたたえた盛り土の上にイスとテーブルが配置され、2本の杉門柱で構成された、空間全体をデザインした作品です。
「my sky hole 地上への瞑想、室生」
井上武吉(1930~1997 室生地域滝谷出身)作家の代表的な作品である「my sky hole マイ スカイ ホール」は”天をのぞく穴”の意味を持ちます。
この「my sky hole 地上への瞑想」は、大地や生命回帰をイメージした作品で、作家の遺作となりました。
自分との出会い、自然の豊かな恵み、生命の営みを感じさせることをコンセプトとして作られています。
鏡面の球体彫刻のある広場から薄暗い円形の地下回廊を光を求めて降りて行くと、瞑想空間にたどりつきます。
光の明暗、水の音、静寂さが効果的に演出され、独特な空間をかもし出しています。ここでは、宇宙のことを考えたり、死と生や空間と時間を体で感じることができます。この独特な異次元を体験してみてください。 ー作品銘板より
地下の瞑想空間は現在入場規制されています。
室生村の美しい森は、古来から親和や伝説を生んだ神秘の森である。
その森の自然と人間と結び付け、人が自然に回帰する事のできる時間と空間をつくるための「森の回廊」をつくる。
ここでいう回廊とは、イメージの回廊である。そして多くの人と至福の時空を分かち合い、故郷の賛歌を奏でたい。 ー『むろうアートアルカディア計画』公式サイトより
井上 武吉先生はむろうアートアルカディア計画を立案し、この「my sky hole 地上への瞑想、室生」と対になる作品として、室生山上公園芸術の森を構想しましたが、計画途中に心筋梗塞により逝去されました。
道の駅が『地』をイメージして創られているのに対し、室生山上公園は『天』をイメージして創られています。 ー奈良県宇陀市WEBサイトより
その後、井上 武吉先生の遺志を受け継ぎ、親友であるイスラエルの彫刻家ダニ・カラヴァンが室生山上公園芸術の森を完成させました。
ほど近くには世界的仏閣の女人高野室生寺もあり、観光の折にはぜひ、こちらにも足をのばしてみてください。
設置場所 Location
奈良県宇陀市室生三本松 道の駅 宇陀路室生