「アナザー・タイムⅨ」都心の高層ビル地下にひっそりと静かにたたずむアントニー・ゴームリー作品が訴えかけるもの

Antony Gormley

大阪のオフィス街、淀屋橋の新築高層ビルのB1Fに、イギリスを代表する具象彫刻家のアントニー・ゴームリー最新作があります。

作品データ Data

作品名 Title アナザー・タイムⅨ
作家名 Artist アントニー・ゴームリー Antony Gormley
制作年 2008年(設置2022年)
寸法(H×W×D;cm)
備考

作品について About

一般的な彫刻作品は台座に鎮座させますが、この等身大作品は床に直接置かれ、同じ目線で鑑賞でき作品に触れられるようにもしました。

自身の体に石こうで型をとり、錆びてゆく風合いを活かすため鉄を素材として、仏教を学んだアントニー・ゴームリーは、肉体に宿る精神性を作品に封じ込めます。

この作品と対峙することによって、観る者は違和感や一種のはかなさを感じながらも惹き付けられたのちに、作家の意図に思いをめぐらせます。

自分が身体という空間で生きていることに気づきました。

自らの外に目を向ける西洋の思想とは違い、外に対象を持たない意識へと導かれたのです。
その世界観が作品の種になっています。     ー作家のことばより

オフィス街の中心で静かにたたずむこの作品には、物質主義を否定し観念や精神、心の尊さを再認識させるメッセージが込められています。

この作品の近く、梅田駅そばに15mの高さの「MIND-BODY COLUMN」が設置されていますので、ぜひご覧ください。

「MIND-BODY COLUMN」高層ビルの谷間に15mの柱で表現されたのは地球と人とのつながり
アントニー・ゴームリーは仏教を学んだ異色の経歴をもつイギリス出身の彫刻家で、東洋の思想に影響を受け精神性を宿すパブリックアートを多く手がけています。

ちなみにこの後側には、ル・ポンドシェルという老舗のフレンチレストランがありますが、店内にも吉原 治良や斎藤 義重など数点の平面作品が展示されています。

設置場所 Location

大阪市中央区北浜 日本生命淀屋橋ビル B1F

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アントニー・ゴームリーの他作品 Other Works

作家について Artist

Antony Gormley(アントニー・ゴームリー)
静謐な人物像の作風で知られ、イギリス具象彫刻を代表するアントニー・ゴームリーの紹介ページです。 略歴のほか、作品の特徴、パブリックアート一覧など、アーティストを深く知るために参考にしていただけます。

 

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