「MIND-BODY COLUMN」高層ビルの谷間に15mの柱で表現されたのは地球と人とのつながり

Antony Gormley

アントニー・ゴームリーは仏教を学んだ異色の経歴をもつイギリス出身の彫刻家で、東洋の思想に影響を受け精神性を宿すパブリックアートを多く手がけています。

作品データ Data

作品名 Title MIND-BODY COLUMN
作家名 Artist アントニー・ゴームリー Antony Gormley
制作年 2000年
寸法(H×W×D;cm) 1450 × 48 × 70
備考 Mind-Body Column

作品について About

大阪梅田の高層ビルのはざまに現れる重さ15tにもなるこの作品は、地下の免振装置と20tの重りに支えられ安全性を保っています。

地球の核の主要成分である鉄を素材として、アントニー・ゴームリー自身が自分の体で型を取り、10体の人物像を積み重ねて大地と人体のつながりを、2本の柱を背中合わせて過去と未来とのつながりを表現しています。

頻繁に往来する電車からもこの作品を見つけることができ、関西で最も乗降客の多い大阪駅そばにありながらも、この作品の前に佇んで気づくことは、都会の喧騒を忘れさせるほどの静の力です。

人間の肉体は記憶と変化の場所として、時に作品が朽ちてゆく様も表現のひとつと捉え、生命の意味を制作過程に落とし込みながら、鑑賞する者に訴えかけてきます。

アントニー・ゴームリーはこの場所のためにこのパブリックアートを制作した13年後の2013年に、世界文化賞を受賞しました。

アントニーゴームリー作品は国内に数点設置されていますが、パブリックアートとしては、大分県国東半島の山肌に設置された「ANOTHER TIME XX」が有名です。

荒涼とした環境の中、瀬戸内海に対峙し無表情で佇む等身大の人物像は、この作品同様無垢の鉄で制作されており、風化をも想定された現代の摩崖仏とされています。

大阪では淀屋橋の日本生命ビル地下の「アナザー・タイムⅨ」と、和泉シティプラザに「こちらとあちら」が設置されていますので、ぜひご覧ください。

「アナザー・タイムⅨ」都心の高層ビル地下にひっそりと静かにたたずむアントニー・ゴームリー作品が訴えかけるもの
大阪のオフィス街、淀屋橋の新築高層ビルのB1Fに、イギリスを代表する具象彫刻家のアントニー・ゴームリー最新作があります。

設置場所 Location

大阪市北区梅田 大阪ガーデンシティ 前庭

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アントニー・ゴームリーの他作品 Other Works

作家について Artist

Antony Gormley(アントニー・ゴームリー)
静謐な人物像の作風で知られ、イギリス具象彫刻を代表するアントニー・ゴームリーの紹介ページです。 略歴のほか、作品の特徴、パブリックアート一覧など、アーティストを深く知るために参考にしていただけます。
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