概要 Outline
| 名称 Art Space | 室生山上公園芸術の森 |
| 住所 Address | 奈良県宇陀市室生181 |
| 整備年 | 2006年 |
| 主管窓口 | 奈良県 宇陀市 建設部 公園課 |
| 備考 | 室生山上公園芸術の森 |
国土交通省の支援を受けた奈良県宇陀市（旧宇陀郡室生村）がアートアルカディア計画のシンボル事業として、旧室生村出身の彫刻家井上 武吉先生の構想（山の上のモニュメント構想）を元に整備計画していました。
しかし計画途中の1997年、井上 武吉先生が逝去したため遺志を受け継いだダニ・カラヴァンによって設計監修、ゆるやかなアップダウンを擁する自然の地形を活かした7.8haの広さの公園全体を、壮大なスケールの芸術作品として完成させました。
古来から受け継いできた精神文化をかけがえのない財産として今を生きる私たちのメッセージへ、
室生村出身の彫刻家井上 武吉先生は、生涯を掛けた仕事として、村全体をフィールドミュージアム、すなわち美術館となるよう「森の回廊計画」を構想された。
天に最も近いモニュメントとして、室生村に向き合い、かつ太陽信仰にまつわる太陽の道の軸線上に、「山の上のモニュメント」の整備を構想された。 ー公式サイト より
整備にあたって、公園（カントリーパーク）の事業手法を採用したため、便宜上「山上公園」と名づけられていますが、通常の公園とは性質が異なり、ダニ・カラヴァンの芸術作品として登録されています。
このため現在は、「芸術の森（Art Forest）」としてのコンセプトを明確にしつつ、作品としての制約の下で、細心の注意を払いながら維持管理されています。
アートアルカディア計画ではこの公園ほど近く、宇陀路室生の道の駅にある井上 武吉先生の作品「my sky hole 地上への瞑想、室生」が対のパブリックアートとされていて、この公園が『天』をイメージして創られているのに対し、「my sky hole 地上への瞑想、室生」は『地』をイメージして創られています。
作品リスト
| No | 画像 | 作品名 | |
| 作家 | 設置場所 | ||
| 1 |  |
第１の島（鳥の島） | |
| ダニ・カラヴァン | |||
| 2 | 第２の島（ピラミッドの島） | ||
| ダニ・カラヴァン | |||
| 3 | 第３の島（ステージの島） | ||
| ダニ・カラヴァン | |||
| 4 |  |
観覧席 | |
| ダニ・カラヴァン | |||
| 5 | 天文の塔 | ||
| ダニ・カラヴァン | |||
| 6 | 太陽の道 | ||
| ダニ・カラヴァン | |||
| 7 | 螺旋の水路 | ||
| ダニ・カラヴァン | |||
| 8 |  |
螺旋の竹林 | |
| ダニ・カラヴァン | |||
| 9 |  |
波型の土盛 | |
| ダニ・カラヴァン | |||
ピックアップ
モニュメントに寄せる思い
彫刻家 ダニ・カラヴァン
初めてこの地を訪れたとき、わたしは室生寺をはじめとする千余年の歴史遺産と豊かな自然と里山の風景にこころを奪われました。さらにこの地は私の親友であった故・井上 武吉氏のふるさとであり、村の風景をこよなく愛しながら作品を創っていた彼の足跡をたどっているような想いにかられました。そして、村長がおっしゃった「室生寺が長年にわたり地域を豊かに育んでくれたように、地域を文化芸術で活性化したい、現代から未来へ伝えられる文化遺産を創り出したい」ということばに感動しました。
公園の敷地は、地すべり対策事業地であり、そのための基盤整備に必要なことは100パーセント尊重し、そのうえで周囲の環境と調和したアート空間を創り出そうとしました。自然は人々の豊かな揺籃であると同時に、時には災害をもたらすものともなってきました。そこで、このプロジェクトは多くの人々の協働により、どうしたら自然と人間が共存して豊かな空間が作り出せるかということを問いかける例のない試みでもありました。
南の方から森の間を抜けると、大きな第1湖が見えてきます。これはもともとあった棚田の形をそのまま活かしたものです。場所の記憶、そこにあった人々の営みを表現したいと思いました。一部小さな棚田が再生され、実際に耕作され、農業の四季の移り変わりが見られるでしょう。湖には3つの島が浮かび、ひとつは鳥が集う島、テントや家のようなかたちの休息の島、様々なアクティビティが期待できるステージの島です。そして湖を取り囲む半円形の観覧席。これらも土地に根差した色になるよう考慮して創られています。
湖を下ると棚田が見え、また洪水時に備えるバイパス水路があります。これも地形に沿ってまるで龍のような美しいカーブとなっています。そして第2湖が見えてきます。第2湖は第1湖と異なり、円形をしており、その中央を太陽の道が横切ります。これは北緯34度32分の東西の軸線で、伊勢、室生寺、長谷寺、箸墓古墳など古来より重要な拠点が置かれてきた場所をつなぎ太陽信仰とも関係があるともいわれています。新たに創り出されたこの空間はこの軸によって室生寺をはじめとする歴史と結びつけられ、また天文学的な宇宙の営みとの関係を表現するものになりました。
この後にも、らせんの水路、らせんの竹林、波形の土盛など皆さんは次々にこの場所の環境を体験する装置を発見することになります。なにか空間の交響楽のような変化に次々と出会うことになるわけです。このような空間を実際に身体で五感を使ってそれぞれの方法で感じてほしい、季節や時間の移り変わりを心ゆくまで味わってほしいと願っています。
ライブカメラが設置されているので、今の公園内の様子を見ることもできます。
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ロケーション
奈良県宇陀市室生181 室生山上公園芸術の森
公式サイト
備考
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