Public ART

「考える人」世界で最も知られる彫刻のひとつで巨匠ロダン代表作のオリジナル作品

近代彫刻の父、オーギュスト・ロダンの代表作と言ってもよい、世界的作品が京都国立博物館の中庭に設置されています。

作品データ Data

作品名 Title 考える人 The Thinker Le Penseur
作家名 Artist オーギュスト・ロダン Auguste Rodin
制作年 1880年
寸法(H×W×D;cm)
備考 京都国立博物館 鑑賞には京都国立博物館の入場料が必要です。

作品について About

この作品は本来、オーギュスト・ロダンの別の代表作、「地獄の門」の一部として制作された小型の像でした。

1880年にフランス国立美術館のための正面大扉に、フランス政府から制作依頼を受けたオーギュスト・ロダンは、ダンテの『神曲』をモチーフに「地獄の門」を構想し、門の中央扉の上から地獄の様相を見下ろし思索に耽る詩人の姿を制作しました。

その後独立して拡大した作品を、1888年に「詩人」と名付けて発表しましたが、オーギュスト・ロダン没後に鋳造職人によって「考える人」と名付けられました。

扉の前でダンテが岩の上に腰を下ろし、詩想に耽っている。
彼の背後には、ウゴリーノ、フランチェスカ、パオロなど『神曲』のすべての人物たち。

この計画は実現されなかった。

全体から切り離された痩身の苦悶するダンテの姿は、意味がなかった。

私は最初のインスピレーションに従って別の思索する人物を考えた。
裸の男で岩の上に坐り、両足を引き寄せ拳を歯にあてて、彼は夢想している。
実り豊かな思索が彼の頭脳の中でゆっくりと確かなものになってゆく。

彼はもはや夢想家ではない。彼は創造者である。 ー作家の言葉 より

この作品の原型はフランス政府によって管理され、パリのロダン美術館に保管されていますが、原型をもとに鋳造を許された作品が世界に21体あり、オーギュスト・ロダンの生前に9体、死後に12体鋳造されたものがオリジナル作品とされています。

日本にはこの作品の他に、東京上野の国立西洋美術館、名古屋市立博物館、静岡県立美術館に設置されています。

博物館への入り口は今は別になりますが、重要文化財と指定されている当初の正門の噴水前中央にシンボリックに設置されており、作品価値の高さが伺えますので、生涯一度はこの世界的大作を鑑賞する機会をお作りください。

設置場所 Location

京都府京都市東山区茶屋町 京都国立博物館

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作家について Artist

Auguste Rodin(オーギュスト・ロダン)
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