「あほんだら獅子」小高い丘から千里のまちを50年以上見守る巨大獅子像

1960年代から大阪の丘陵地域を切り開き、日本で初めて15万人を超える規模で整備された千里ニュータウンの一角、都市公園の小高い丘に獅子像が設置されています。

作品データ Data

作品について About

130tもの重さながらどことなくユーモラスな表情で、半世紀を経た今もなお、斬新さと迫力を放ち続ける作品を制作したのは、1960年代から海外で高い評価を受けて、アメリカ国内に数多くのパブリックアートを設置した流 政之先生です。

その中でもっとも有名な作品は、ニューヨークのワールドトレードセンター広場に設置された「雲の砦」でしたが、2001年のテロによって破壊は免れたものの、その後の救助作業の妨げになるとの理由でやむなく撤去されました。

Public Art at the World Trade Center, Figure 2

www.ifar.org

喰いだおれながら商売繁盛の町人天国の大阪の地。

そのなかに育ったあつかましくとも人情豊かな上方の伝統を、大阪の鬼門の千里にたてる厄除け鬼門払いの獅子頭。
それは二つにずれ、見方によっては夫婦、見方によってはひとり者にうつるしくみ、大阪城の石垣の古事にならい。

瀬戸内海の大きい石を千里丘陵中央公園の小山に運び込み組上げる。
すべてが難しくなり殺気に血迷う当世の人々に笑いと明るさを与える彫刻「あほんだら獅子」。　ー制作のことば より

同じ大阪に設置されている「HONMA DEKKA」や「EEYANKA」など、ユニークな作品名が多い流 政之先生ですが、この「あほんだら獅子」は突出しています。

国内にも多くのパブリックアートを設置されている流 政之先生の作品は、自宅兼アトリエを個人美術館として公開した香川県の「流政之美術館」や北海道の広大な敷地に22点の作品を設置した「ストーンクレージーの森」などでも、一堂に鑑賞できます。

設置場所 Location

大阪府豊中市新千里東町３丁目　千里中央公園　

周辺のパブリックアート

「風の道」自然に囲まれた小高い丘で半世紀以上も風を受けて回り続ける小さな羽

「あほんだら獅子」小高い丘から千里のまちを50年以上見守る巨大獅子像

「生命の泉」関西の玄関口伊丹空港にヤノベケンジ作品が一堂に描かれたステンドグラスがあります

「気流 風になるとき 2018」風を受け鳥がはばたくような動きを見せるキネティックアート

「SHIP’S CAT ONK-2」ヤノベケンジ制作の猫の守り神が読書する子供たちを見守っています

「SHIP’S CAT ONK-1」2024年11月までの期間限定で屋根の上からさりげなく見守るのはヤノベケンジの猫のパブリックアート

「Sun Child （サン・チャイルド）」東日本大震災復興を祈念して希望という小さな太陽を手に立ち上がるヤノベケンジ作品

流 政之の他作品　Other Works

「あほんだら獅子」小高い丘から千里のまちを50年以上見守る巨大獅子像

「神戸海援隊」幕末に吹いたみなと神戸の風は日本の若者を立ち上がらせ近代日本の礎を築いた

「男の花道」（撤去済み）ここ大阪を舞台に男同士の友情を描いた歌舞伎の演目

「HOMMA DEKKA」ユーモラスな作品名に隠された真の意味とは

作家について Artist

流 政之（ながれ まさゆき） Masayuki Nagare

戦後日本を代表する抽象彫刻家、流政之の紹介ページです。 略歴のほか、作品の特徴、パブリックアート一覧など、アーティストを深く知るために参考にしていただけます。

public-art.jp