社会や現代文明への挑発的なメッセージを発信することで、個人としての自分を見つめさせるワードアートの第一人者、ジェニー・ホルツァーのパブリックアートが、大阪のオフィスビルに設置されています。
作品データ Data
| 作品名 Title | サーペンタイン Serpentine | 
| 作家名 Artist | ジェニー・ホルツァー Jenny Holzer | 
| 制作年 | 2002年 | 
| 材質 | LED | 
| 寸法 (H×W×D; cm) | 13.2 x 2000 x 12.7 | 
| 備考 | 
作品について About
オフィスビル1Fエントランスの柱を20mにわたり、作品名の通り”蛇のように”交互にぬって、LEDディスプレイがメッセージを流すパブリックアートです。
ジェニー・ホルツァーはアメリカ現代美術界を代表する女性アーティストで、1970年代からことわざや警告めいた自作の短文を、ポスターや電光掲示板など様々なメディアを通じて発信し続け、1990年ヴェネツィア・ビエンナーレで大賞を受賞しました。
1994年には水戸芸術館で日本初の個展が開催され、戦争によって犠牲を強いられる女性や子供、エイズ患者のような差別される弱者など、人間の生と死に対する悲憤を静かに訴えかけました。
”PROTECT ME FROM WHAT I WANT”
(私を私の欲望から守ってください)
“OUR TIMES ARE INTOLERABLE”
(私たちの時代は耐え難い)
“STARVATION IS NATURE’S WAY”
(飢餓とは自然の摂理)
“THE BEGINNING OF THE WAR WILL BE SECRET”
(戦争は秘密裏にはじまる)
“LAUGH HARD AT THE ABSURDLY EVIL”
(不条理な悪には大笑いしよう)
愛知県の豊田市美術館に「豊田市美術館のためのインスタレーション」が所蔵されていますが、ジェニー・ホルツァーのパブリックアートは国内では他に、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003で、新潟県十日町に設置された「ネイチャーウォーク」のみですので、数少ない貴重なジェニー・ホルツァー作品をぜひ鑑賞してみてください。
この作品の前には、吉水 浩先生の「ルビウス」や、隣のオフィスビルにも関根 伸夫先生作品があり、周辺の中之島には多くのパブリックアートが点在しています。近くには大阪中之島美術館のヤノベ ケンジ作品「シップス・キャット (ミューズ)」や、大阪市立科学館の清水 九兵衛先生作品「ECHO」などが設置されているので、足を運んでみてください。
設置場所 Location
大阪府大阪市北区中之島 中之島三井ビル
周辺のパブリックアート