等身大の女性像をはるか高い位置に設置した、じっくり鑑賞するために見上げる珍しいパブリックアート設置例です。
大阪市役所や歴史的建造物などにほど近く、ビジネス街を流れる川沿いにそびえ立つように設置され、ゆっくり散策する中でランドマークとしての作品となっています。
作品データ Data
作品名 Title | 緑の賛歌 |
作家名 Artist | 本郷 新 Shin Hongo |
制作年 | 1973年 |
寸法(H×W×D;cm) | ー |
備考 |
作品について About
等身大少し大きめの女性2人が、優雅に両手をあげ身体全身をのばしたポージングは、健康的で清々しく自然への賛歌を高らかに謳っているようです。
ふたりの裸婦が、両手を空に向かって伸びやかに振り上げ、台座から今にも降りてくるかのような動きのある立像です。両者の手の表情には、本郷独自の優雅さがあります。手の動きと片足を一歩台座から踏み出そうとする表現は、空間をより大きく見せる運動の連続性と今にも踊りだしそうな躍動感がみなぎっています。「緑」を高らかに謳いあげるテーマが生かされています。
「緑の賛歌」を制作する過程は、ドキュメント映画『創る』(カラー 30分、柳川武夫監督、1973年)で見ることができます。映画では、稚内の「氷雪の門」、広島の「嵐の中の母子像」、京都の「わだつみ像」等の野外彫刻や、「緑の賛歌」の設置場所の下見、デッサンによる形の追求、それに基づく粘土像の制作、石膏取りと彫刻の制作過程などを経て、除幕式までが記録されています。制作に向かう本郷の厳しい表情や、休日に釣りを楽しむ様子など本郷の人となりがあらゆる角度から紹介されています。ー本郷新記念札幌彫刻美術館WEBサイトより
戦後の日本彫刻を牽引した代表的具象彫刻家である、本郷 新先生は社会と彫刻の関わりを深めるため、数多くのパブリックアートを全国各地に制作、設置しました。
社会的メッセージをこめた作品も多く残していて、本郷 新先生が生まれた札幌には個人美術館『本郷新記念札幌彫刻美術館』があり、総括的に鑑賞することができますので、札幌を訪れた際には一度足を運んでみてください。
この作品近くに設置されている「太陽の母子像」も本郷 新先生の代表作のひとつですので、一見の価値があります。
設置場所 Location
大阪市北区中之島 中之島みおつくしプロムナード