「渚」都心のオフィス街で涼し気にたたずむ姿は水辺のひととき

国内外の代表的な彫刻家によるパブリックアート29点が設置されている、大阪市内を南北に通る大動脈の御堂筋 彫刻ストリートの中ほどに、この作品はあります。

作品データ Data

作品について About

細長い手足を組んだフォルムと対照的に、大きなつばの帽子を構成して、椅子の足の細さとのアンバランスさを見事に昇華させています。

心棒に直接石膏をつけてゆく制作技法と表面のざらついたマチエールは、叙情を想起させることに成功し、この作品を制作する前年、淀井 敏夫先生は彫刻家として円熟の域に達した66歳の時に、「ローマの公園」で日本芸術院賞を受賞しました。

同じ作品がパブリックアートとして宝塚大橋に設置されていますが、徳島県立近代美術館にも収蔵されています。

剛直で堅固なものへの嗜好だ。ごつごつしたタッチと細く長いかたちは彫刻の構成を強めている。

デフォルメがあるものの基本的には対象のかたちにそって造形する姿勢が堅持されている。

淀井は、地味ではあるが、一貫して質実な具象の世界をつくっている。しかし、まじめ一本でもないらしい。例えば、この女性はどうやって座っているか？ちょっとしたユーモアのエスプリがある。　ー 徳島県立近代美術館 学芸員 安達一樹氏作品解説 より

淀井 敏夫先生は生まれ故郷の兵庫県朝来町に、自身の作品125点を寄贈して、1999年に開館した淀井敏夫記念館で多くの作品を鑑賞することができます。

設置場所 Location

大阪市中央区備後町　御堂筋 彫刻ストリート

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作家について Artist

淀井 敏夫（よどい としお） Toshio Yodoi

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