Public ART

「黒人の女」彫刻家がパリ滞在中に細部の描写をそぎ落として表現したものとは

神戸商工会議所のエントランスロビーでは、柳原 義達先生の作品2点が鑑賞できます。

作品データ Data

作品名 Title 黒人の女
作家名 Artist 柳原 義達 Yoshitatsu Yanaguihara
制作年 1956年
寸法(H×W×D;cm) 64.0 × 22.5 × 20.0
備考 (ビル敷地内ですので鑑賞時はご留意ください)

作品について About

柳原 義達先生がパリ滞在中に、アフリカ生まれのアンという女性をモデルに制作した作品です。

細部を作り込むことなく量感とフォルムの表現が追求されていて、右手を腹に、左手を背中にまわした黒人女性像は、十分な肉付けと絶妙なバランスを感じさせてくれます。

家族の勧めで日本画家を目指していた柳原 義達先生は、アントワーヌ・ブールデルの彫刻写真を目にして彫刻家へ転向しますが、1951年2月東京で開催されたフランス現代美術展を訪れた際に「目まいがしそうな感動をうけ」、のちに大きな転機となることとなるパリへと、40歳を過ぎてから渡るきっかけとなりました。

当時の私はいかにして、ロダン、あるいはブールデルの重圧からのがれ、独自の美を創造するのかが自分をうちたてる道でしかなかった。
しかし自然に生命があるかぎり、根源的な自然の法則はいかなることがあっても変えられない。 ー『柳原義達美術論集 孤独なる彫刻』より

千葉市美術館にも同じ作品が収蔵されていますが、神戸商工会議所にはこの作品と対になる形で、同時期に制作された「赤毛の女」が設置されています。

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上質のARTに触れて 豊かな時間と空間を

設置場所 Location

神戸市中央区港島中町 神戸商工会議所 1Fロビー

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柳原 義達の他作品 Other Works

作家について Artist

柳原 義達(やなぎはら よしたつ) Yoshitatsu Yanaguihara
戦後日本を代表する具象彫刻家、柳原義達の紹介ページです。 略歴のほか、作品の特徴、パブリックアート一覧など、アーティストを深く知るために参考にしていただけます。