大阪府和泉市役所の一部機能や図書館などが入居する公共施設の玄関口に、抽象彫刻家土屋 公雄先生のパブリックアートが設置されています。
作品データ Data
作品名 Title | 時の知層 |
作家名 Artist | 土屋 公雄 Kimio Tsuchiya |
制作年 | 2003年 |
材質 | 強化ガラス、ステンレス、和泉市内の土、砂、小石、和泉市内園児たちによる粘土作品プラスティック、ペットボトル、ガラスのリサイクル材 |
寸法(H×W×D;cm) | 1,020 × 180 × 180 |
備考 | 和泉シティプラザアートワーク |
作品について About
高さ10mのカラフルな角柱が地下からそびえ立っていますが、圧迫感など感じさせず、開かれた広い空間の解放感の中でランドマークとして、注目を集める存在となっています。
時の地層 Strata of Time
「和泉シティプラザ」エントランス広場に設置された、ガラスの塔「時の地層」は、和泉市の歴史性・地域性・文化を物語る様々な場所で採取された土と、現代のテクノロジーによって生み出されたプラスティック・ガラス等のリサイクルチップ素材、さらに市内の幼・保育園児による手作り粘土作品が、「過去の層」「現代の層」「子供達の未来の層」として、複雑に積層されながら高さ10mの地層を成している。
過去と現代、そして未来を連続させること。作品の持つ意味とその作品の置かれる場所性を連続させることは、今回の重要なテーマである。
また制作にあたり、桃山学院大学の学生ならびに市民の方々と「アートワークボランティア」を結成し、素材集めから制作にいたるまで、直接的に関わっていただけた事は、市民参加型のパブリックアートとし、画期的なプロジェクトとなった。
今後このモニュメントが、市民と一体となったシンボルとして、新たな風景の一部となってくれる事を願っている、 土屋 公雄
The work in which soil of various parts of Izumi, clay works by children and recycled tip material are stratified into the huge glass box.
This memory of Izumi is created through the workshop with students and citizen.
ー公式サイト より
記憶や所在といった制作コンセプトのもと、土屋 公雄先生は次世代への期待やあふれる情報化社会への警鐘といったメッセージを、多様な表現により作品に込めています。
プロジェクトに参加した人達に「あなたたちにとってこの町はどんな町ですか?」と問いかけ、2年間かけてその土地についてリサーチをしながら続けていきました。そのなかで、自分の庭や通っていた学校など色々な場所から土を集めて持ち寄った際に、同じ土地から全く違う何種類かの土が出てくる発見があったのです。
人間は引っ越したりして簡単に移動し、自分の生まれた所で生涯余生まで暮らす人は今の時代では少ないでしょう。つまり、帰る場所というのが明確にあるわけではないのです。
実はそれは人間だけではなくて、足下の土までも動いていて帰る場所を失っていたことに、このプロジェクトで気づかされたのです。そのことをきっかけに、土地の土などを10M のガラスの塔の中に積み上げ、過去・現在・未来の地層を作り上げました。
プロジェクト自体は、確かに僕が依頼を受けて始まるわけですが、2週間に1度一緒に考え作業していくことで、そこに関わった人々にとって徐々に自分たちの作品になっていき、自身の体で美術の力を理解してくれている気がするのです。
ー作家公式サイト より
和泉シティプラザには他にも、世界的彫刻家アントニー・ゴームリー作品「こちらとあちら」や、宮島 達男先生の作品「時の庭」が設置されており、質の高い空間を満喫することができます。
設置場所 Location
大阪府和泉市いぶき野 和泉シティプラザ B1F 中庭